MAMA

歌詞

幼い頃 手を繋いで 歩いた帰り道
ママの手のひら あったかくて
このまま時が止まればと思ってた

ちょっぴり焦げたマドレーヌ 緑色の絨毯
お留守番にも慣れてきた頃
ママの心は壊れてしまった

こっそり家を抜け出して 坂道駆け下りた
宵闇の中 ぺんぺん草が風に揺れていた

何もかも無くしたあの日
街の灯りだけ やけにキレイだったよ
哀しくてたまらない筈なのに
泣くことも忘れて 夜を歩いた

あなたを守ると決めた 自分への約束
誰にも負けない 決して転ばない
涙に心流されたりはしない

いつでも背筋を伸ばして 明るく笑っていた
本当は今にも逃げ出しそうな
自分の心守るため

瀬田川沿いを自転車で 真っ直ぐ駆け抜けた
夕焼けの空 手を広げて 口ずさむ歌

何もかも がむしゃらな日々
寂しいも哀しいも置き忘れたままで

泣きたくてたまらない筈なのに
強がりだけを味方に歩いた

「何もしてあげられなくてごめんね」と
ママが私にくれた紬の着物
壊れた心をひとつづつ
拾い集め縫い合わせて
丸ごと全部抱きしめてくれた Ahh

何もかも無くしたと思ってた
強くならなければ生きてはゆけないと
泣くことさえ忘れてた心から
いつまでもいつまでも涙が溢れた

何もかも色褪せてしまった
ママの世界にはいつしか風が吹き
運ばれた種たちが芽を出して
色とりどりの花 咲き乱れていたの

何もない道を歩き続けた
小さな私は愛する人のそばで
変わらずにあなたを想い続けて
やわらかに日々を歩いている

やわらかに日々を歩いている

収録CD

1st アルバム「Piece of my life ~やわらかに歩く日々~」より

この曲の背景

母を想う時に頭に浮かぶのは
俯き苦しむ姿
繰り返される入退院の合間に

『涼ちゃんには
何もしてあげられてないから』…
とアルバイトをして
紬の着物を買ってくれた

母が亡くなり
初めて着物の袖に手を通した時
子どもの頃に作ってくれた
少し焦げたマドレーヌや
手を繋いで歩いた夕陽を思い出した

全部失くしたと思っていたけれど
母の想いは ちゃんと私の中にある

あなたの事を想い続け
やわらかに日々を歩いている

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