この場所で歌うこと

私の手を取って

『冷たい手やなぁ』

と擦ってくれた深々と帽子を被り
大きなマスクの彼女の優しい手と
私に向けられた眼差し

『身体に気をつけて長いこと歌ってな』

と云ってくれたこの言葉は絶対に忘れない

大きな窓からは
青々とした琵琶湖と
空と彦根の街が見渡せる
この場所はいつ伺っても
神聖な気持ちになる

彦根市立病院 緩和ケア病棟

コチラに伺うキッカケは
去年の春どうしても
コチラに入院されてる方へ
お礼を伝えたくて

“慰問”

という形で患者様皆様に向けて
歌わせてもらったことでした

勇気を振り絞って電話をして
看護師長さんに全てを話し
受け入れてもらい
その後も続けて
歌いに伺わせていただいています

AriAriと私にとって大切な場所であり
優しい時間が流れます

前回に
甲斐バンドのリクエストに答えられなくて
後悔したので
出来るだけ答えられる準備をしたいと
思ったのはギターを始めた理由の1つです

先日facebookにDMが来ました

『涼子ちゃんギターを始めたんやね!
きっとあの方がお空で喜んでるね』

懐かしい方からのメッセージには
コチラの病棟へ歌いに来る
キッカケになった方が
私がギターを始めた事を
お空で喜んでくれているというものでした

私は胸が熱くなりました

全てが繋がっていると感じたからです
例え会えなくてもちゃんと繋がっていて
その事を教えてくれる

次にコチラへ伺うのは

『遺族会』

AriAriも私も同じ立場から
そおぅっと隣で寄り添えるような
そんな時間になるよう伺おうと思います

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